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2009年6月 9日 (火)

前田弘毅 『グルジア現代史』(東洋書店)

Maedagruziya 前田弘毅『グルジア現代史』(東洋書店)

ユーラシアブックレットのシリーズで『グルジア現代史』が出版された。著者はグルジアに長期留学した経験のある研究者である。グルジア語,ペルシア語に堪能である。グルジアを歴史的にイラン・ペルシア文化圏の視点で研究している著者が,グルジアの現代史について,簡潔に説明してくれている。

サーカシュヴィリ・グルジア大統領は,コーカサスにおいて外交では親米路線を続けている。南オセチアでの緊張が武力衝突に発展し,ロシア軍による猛攻により首都トビリシに迫るまでとなり,ロシア軍がスターリンの生地ゴリ市を占領したことは記憶に新しい。

このような衝突を起こした当事国のグルジアを理解する書籍や情報が少ない。『グルジア現代史』は2003年の《バラ革命》によるシュワルナゼ大統領の失脚とサーカシュヴィリの政権奪取について要領よく説明している。当初,改革で腐敗を一層しようとした現政権下でもネポティズム(身贔屓主義)が横行しつつある。現政権の明暗の部分も明らかにしている。

グルジアやコーカサスに関して,その他にも新書など書籍が出ているが,現地滞在を有する堅実な研究者が現した『グルジア現代史』は,グルジアの動きを理解する上での好著である。著者のグルジアに対する熱い思いが引き続き,現代グルジアに関して政治経済・言語文化など日本にとって知ることが難しい地域を解き明かしてくれることを希望する人は多いと思う。

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