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2009年8月19日 (水)

中央アジアの教育と賄賂

1991年のソ連崩壊してから現在に至るまで中央アジアであまり変化していないことに《賄賂》がある。とくに,教育面での贈収賄は一向になくなる気配がない。ウズベキスタン,トルクメニスタン,タジキスタン,キルギスタン,カザフの中央アジア諸国の大学において,入学試験,定期試験,卒業試験で教授など教員たちは学生から《心付け》をもらうことが当たり前となっている。教員たちの給料が安いから,賄賂によって補填している。トルクメニスタンでは,教育が無料であっても,教師に払う《心付け(elaklyk)》があるから,児童や生徒の親の負担は軽くはない。《ただより高いものはない》という諺の通りである。

中央アジアでは,貧しい家庭の子弟が高等教育を受けることがますます難しくなっている。賄賂を払った学生は,それなりの公職に就いたとき,払った分の賄賂を取る戻すべく,賄賂を要求するようになる。中央アジアの教育の場から贈収賄がなくなる見込みは今のところない。これでは贈収賄の悪循環を断ち切ることはできない。

かつてウズベキスタンには,トルコのあるグループが支援し開校した中学・高等学校がフェルガナ,サマルカンド,ブハラなどにあった。まじめなトルコ人の教師が派遣され,やる気のある現地の生徒たちを教えていた。教師たちは賄賂を受け取ることもなかった。このような教育に脅威を抱いたウズベキスタン教育省は,理由をつけて閉鎖してしまった。タシケント,ブハラ,サマルカンドでこれらの学校を卒業したウズベク人の若者たちに会ったことがあるが,みなまじめで優秀であった。その卒業生たちは,教師たちは厳しかったが,よい教育であったと語っていた。

明治維新以来,日本は教育に力を入れてきた。最近,《ゆとり》教育で学力低下が問題になっているが,日本の教師たちは賄賂を取ることはない。我々にとって,当たり前のことであるが,中央アジアでは当たり前ではない。中央アジアの未来が明るくないのは,このような教育の現場で,若いときから賄賂を払わないと,教育を受けられない,負の面を知って成長しているからである。中央アジアの教育の現場での《賄賂》の連鎖が解消されない限り,中央アジアから《賄賂》がなくなることはない。

中央アジアの教育と賄賂は切り離せない,これでは志ある若者たちが多くいても,中央アジアの未来は表面的には明るくとも,深層の面では明るくない。

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