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2009年12月

2009年12月27日 (日)

吉村貴之 『アルメニア近現代史』(東洋書店)

Armeniayoshimura01 吉村貴之『アルメニア近現代史 民族自決の果てに』(ユーラシアブックレット 142,東洋書店,2009年10月20日,64頁)

トルコに関心ある人に比べると,アルメニアに関心ある人が書いた書籍を読むと,トルコに対する感情移入の激しい著作が多いなかで,吉村貴之著『アルメニア近現代史』は小冊子でありながら,アルメニア近現代史を知るのみにならず,トルコ・アルメニア関係を知るのに役立つ著作である。少壮の歴史家である著者の筆致は抑制されているだけに,トルコとアルメニアの関係を知るのに適していると言えよう。他のアルメニア関係の著作はアルメニア人の言説そのままという人が多い。

著者はアルメニア近現代史を研究するのにオスマン帝国内のアルメニア人の動向にも注意を払っている。この点でも優れていると言えよう。たとえば,17頁で1909年4月14日にアナトリア東部の都市アダナでアルメニア人とムスリムとの衝突した事件を記している。この軍事裁判ではムスリムの方に厳しいという判決がおりて,この時点では国家機関を挙げてアルメニア人の弾圧を行っていたとは言い難い,というような注目すべきことも書いている。

小冊子ありながらも,アルメニア近現代史の輪郭を知るのに役立つ好著である。

2009年12月20日 (日)

トルクメニスタン大統領の訪日

ベルディムハメドフ・トルクメニスタン大統領が訪日した。天皇陛下との会見,鳩山首相との会談が行われた。新聞報道を見かけることはなかった。トルクメニスタン大統領は,訪日に満足して帰国したそうである。そして,日本と関係を重視して,トルクメニスタンに日本文化センターを開設したいと述べたそうである。多分,日本の外務省も国際交流基金も文化予算が減らされているので,大統領の希望んは協力できないであろう。トルクメニスタンは資金はあるであろうから問題ないと思うが,これに日本が少しの協力で日本のソフトパワーを強化できるはずである。中国は戦略的に孔子学院を世界開設して,中国のソフトパワーを強化している。

トルクメニスタン大統領が中央アジア首脳の中で訪日した最後の大統領であった。故ニヤゾフ大統領も現大統領もずっと訪日を望んでいたのに,日本側の日程調整が難しかったので,なかなか訪日が実現してこなかった。トルクメニスタン大統領は日頃独裁者と言われて非難されることが多いのに,日本側の都合に合わせて,一国の元首でありながら訪日がのばされてきた。それに比べると,隣国の副主席の訪日は強引と言われても仕方がない。

隣国の主席は,トルクメニスタンからウズベキスタン,カザフスタン経由で中国新疆までつながるガスパイプラインが完成すると,14日トルクメニスタンに完成式典に参加した。隣国の首脳の外交は極めてレアルポリティーク(現実外交)である。それに比べると,日本の首相は現実の利害を忘れて,外交を理想論でもてあそんでいるようだ。

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