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2010年3月15日 (月)

カザフスタンでの嫌中・反中国感情

中国が経済大国として擡頭すればするほどに隣国や周辺国で不安と期待が渦巻いている。日本でも中国脅威論の書籍が売れる一方,財界は対中ビジネスに益々傾注している。いまや日本は中国に経済面で死命を制されるような状況になりつつある。

カザフスタンは中国(新疆ウイグル自治区)と非常に長い国境線を接している。トルクメニスタンから中国に延びるガス・パイプラインは,カザフスタンを経由している。このパイプライン建設には中国政府が巨額の資金を提供している。中央アジア諸国は天然ガスを輸出するためにはロシア経由のルートしかなかったが,中国向けパイプラインはロシアによる中央アジア天然資源の独占を打破し,中央アジア諸国にとって天然資源の輸出価格の設定で有利となった。

カザフスタンなど中央アジア諸国の政府は,中国の中央アジアでのプレゼンス拡大をロシアに対抗するものとして,表面的に歓迎している。ロシアと比べると,中国政府の援助や資金提供はロシアよりはるかに機動的に素早く実施されている。このことからも歓迎されている。

しかし,中央アジア諸国において,一般市民が急速な対中接近に反発することも起きつつある。中国政府がカザフスタン政府に対して,大豆や小麦の栽培に数百万ヘクタールの土地を貸与するよう要望した。この中国の要望に反発して,1月にアルマトゥで政府の対中政策を批判するデモが起きた。

中央アジア諸国は,天然資源に恵まれたカザフスタンを除いて,貿易不振などにより歳入不足になっており,とくにキルギスは中国からの援助をますます必要としている。実際にキルギスで中国が供与したバス(中国・キルギス友好と表示)が各都市の公共輸送手段になって目立っている。これに対して,日本が供与したバスは,日本がODAで供与したとの表示も色あせている。これは最近の日本の対中央アジア支援の現実を現している。

中国のプレゼンスは中央アジアにおいて,ますます大きくなりつつある。しかし,政府とは異なり,反発や歓迎しない一般市民も存在するようになりつつある。嫌中・反中国の感情は中国が擡頭すれば周辺諸国で共通しておきる現象である。

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