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2010年11月14日 (日)

トルコ=シリア関係

東京新聞にトルコ=シリア関係について報道している。

「シリア、トルコ両国間の貿易が拡大している。二〇〇四年には関税を原則廃止する自由貿易協定(FTA)に調印、〇九年には入国ビザを相互に免除するなど、両政府が環境を整備してきた。米国からテロ支援国家に指定され、経済制裁を受けるシリアは、トルコとの関係接近で経済成長を図る。トルコには、シリアを足掛かりにアラブ圏で存在感を高めたい思惑もある。(シリア中部ホムスで、内田康)

 マジェド・ハエクさん(52)がホムスで営む屋根瓦製造工場は、売り上げがこの七年で倍増した。トルコから工作機械を追加購入し、生産ラインを増やしたためだ。 「ビザ免除はありがたい。思い立った時にトルコの取引先まで飛んで行ける」 ハエクさんの工場は一九九三年からトルコ製工作機械を使っているが、ビザが免除されるまでは半年に一回、首都ダマスカスで申請する必要があった。最近は陸路国境の審査官も増加。両国を結ぶ道路も拡張された。 「〇四年ごろまでは国境審査で五時間待つこともあった。今は長くて十五分。ホムスからアンタクヤ(トルコ南部)まで、車でたった三時間だよ」とハエクさん。〇八年の両国の貿易額は十七億ドル(約千三百七十億円)で前年比五割増。トルコは建設資材、シリアは石油、綿織物などを輸出する。トルコの大手ホテルチェーンも昨年、ダマスカスに進出した。両国はこれまで、ユーフラテス川の利水問題で対立。トルコのクルド人非合法組織クルド労働者党(PKK)にシリアがキャンプ地を提供していたこともあって、関係はしばしば緊張した。一九九八年にシリアがオジャランPKK党首を追放すると雪解けが始まり、〇四年には、アサド大統領がシリアの国家元首として初めて、トルコを訪問した。シリアの国民一人当たり所得は中東でも最低レベル。死去した父の跡を継いで二〇〇〇年に就任したアサド大統領にとって、経済の底上げは重要課題だった。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの支援などを理由に米国からテロ支援国家に指定され、〇四年には米国製品禁輸の制裁を受けて国際的孤立を深める中、トルコとの接近は外交的にも有益だ。

 一方のトルコのエルドアン政権は核開発を進めるイランを擁護するなど、東方のイスラム圏を重視した外交を進める。シリアは人口がトルコの三割に満たず、市場規模には限りがあるが、アラブ圏の十七カ国・地域でつくる「大アラブ自由貿易地域」の加盟国。トルコ資本がシリアに生産拠点を置けば、各国に無関税で輸出できる。

 シリアでトルコ製工作機械を売るトルコ人業者エルトルール・ナジャルさん(52)も「シリアで工作機械を生産し、アラブ一帯に輸出するのが目標だ」と意気込んだ。」

 エルドアン政権は、イスラム色があることで、欧米メディアから偏見をもって見られている。日本の報道も欧米の報道の影響を受けている。このため、エルドアン政権やAKP(公正発展党)について、ネガティブに報道することがある。しかし、現実はトルコの歴代の政権が欧米志向であって、中東イスラム諸国との関係を等閑視してきた。この方向をエルドアン政権はその方向に舵を切った。トルコの経済にも追い風になっている。トルコが中東アラブ諸国との関係を深め、その経済的な効果が徐々に現れつつある。

トルコの東方志向は、トルコにとって新たな可能性を切り開きつつある。

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